中国株

FIRE達成に大きく貢献した2つの投資がある。

一つは中国株投資で、もう一つは外貨建ての優先出資証券への投資である。

 

中国株にそのようなチャンスは少なくなっていると思うが、

考え方としてこれからのインド投資などにも当てはまる部分はあると思う。

 

投資家の状況とタイミングによっては、

「低リスク(損する可能性)、高リターン」の投資先は存在することを示唆する事例だと思う。

 

2003年前後、友人に勧められて始めた中国株(H株※)投資。

このうち、投資元本の大幅な増加に特に貢献したペトロチャイナ(00857)および吉利汽車(00175)について以下に記載する。

※香港証券取引所のメインボードに上場している中国企業のうち、

 中国本土で登記している企業の株式。

 

当時、株式のことなど全くわからなかったが、

1秒でも早く会社を辞めたい一心で一攫千金を狙い証券口座を開設した。

 

 

【主な投資結果】

- ペトロチャイナ(857):

 2003年に20,000株を1株約HK$ 2.5(≒70万円)で購入(定期的に買い増し)

 2009年に全株売却 HK$ 9.0くらい。

 ※追加投資分および配当金を含めると、投資元本は6年で約5倍(約800万の利益)

- 吉利汽車(175):

 2003年に20,000株を1株約HK$ 1.0(≒28万円)で購入(1株約HK$0.3で追加投資)

 2017年に全株売却 HK$ 18.0くらい。

 ※追加投資による平均購入単価引下げ分込みで投資元本が約25倍(約1200万の利益)

 

【中国株投資で学んだこと】

- ファンダメンタルズ(想定シナリオ)の重要性

 財務諸表などの細かい数字を分析しなくても、

 ファンダメンタルズをみて長期的観点で投資するとよい(ことが多い)。

人口動態・経済発展を見据え、インドへの投資を検討中。

- (余裕資金による)長期保有

 短期的な動きに動揺せず、大きくストーリーが変わらない限り保有する。

- コア投資と分散投資の重要性

  コア投資による安心感(紙切れ、もしくはほぼ無価値になった株も複数あり)。

- 高リスク(ギャンブル)銘柄への投資

   配当収入のような不労収入を原資に投資すれば、

   株価の変動(損失もしくは含み損)による動揺が少ない。

 

【投資方針】

ほぼ全ての給与(およびボーナス)を中国株に注ぎ込んだ。

※当時は実家暮らし

 

わからないので友人の保有株および投資根拠を参考に投資した。

 

【ペトロチャイナ(857)】

最初に選んだのがペトロチャイナ。

 

投資の決め手は、以下の通り

  • 国際イベントによる経済効果(中国の面子とインフラ投資)

 香港ディズニーランドの開園(2005年)、北京オリンピック(2008年)および上海万博(2010年)の開催が決まっていた。

  • 人口動態と期待成長率

 人口ボーナスによる労働・消費市場の拡大。

 長期的に年率10%を超える経済成長が見込まれていた。

③中国の特殊な株主構造

 主要株主が政府

 ⇒優位な競争環境(特権的な地位)と株主フレンドリーな配当政策

④産業規制および車の普及

 当時ガソリンスタンドを中国国内に設置できるのは2社のみ。

 車の保有率がこれから急激に伸びていくことが見込まれていた。

⑤為替

 元に対し円が強く、円ベースで株価を見た際に投資しやすい価格だった。

 また、経済成長に伴い、将来的に対円で元高になると考えた。

⑥投資規制

 外国人投資家による中国への投資および中国人による海外投資が規制されていた。

 近い将来規制緩和により双方の投資が認められると言われており、

 中国株(H株)の価格上昇が見込まれていた。

 ※同じ会社でも中国市場と香港市場の両方に上場している場合、通常はH株の方が割安だった(ペトロチャイナはこのケース)。

 

一方、リスクとして一番気にしたのが政治リスクと地政学リスク。

突然外国人投資家を締め出すことを含め、

何がおこるかわからない。

 

「中国がくしゃみすると日本は風邪をひく」とすでに言われていた当時、

中国で何かあったらどうせ日本の資産もダメになる。

 

そんなリスクにも関わらず、今の労働環境から逃げ出したい。

という気持ちが強く、ためらうことなく全力投資した。

 

吉利汽車(175)】

コア投資として、王道で安定的なペトロチャイナを選ぶ一方、

ギャンブル的な中国投資も同時に行った。

そのうちの一つが吉利汽車

 

投資の決め手は、以下の通り。

  • 中流階級及び富裕層の増加と車の急速な普及
  • 手に届く株価

当時1株 HK$1.0(約 14円)。

当時市場シェアの大きい自動車会社(外資との合弁)は、

人気が高く株価がすでに高く手が出なかった。

 

  • 純中国資本企業

純中国資本の自動車会社の中ではシェアNo.1。

  • 戸松さんの推奨銘柄

当時中国株式の第一人者(?)である戸松信博さんのセミナーでの推奨されていた。

 

退職後、大学院に通う際には1株HK$0.3まで下落し、

株価を見るたびに泣きたくなった。

 

「そんな会社は知らない。」

国産車は絶対に買わない!」

と友人の中国人留学生(金持ち)は一様に馬鹿にする。

 

それでもいつか純中国企業の車を好む中国人が増える、

もしくは、吉利自動車がめちゃくちゃ安い車を作るという可能性に賭け、

大学院を卒業するまでペトロチャイナなどの配当で追加投資し続けた。

 

【株式売却】

投資して以来中国株も乱高下を繰り返し、

売却するべきタイミングはあったのだが、

  • 投資原資が主に配当などの不労収入によるものであったこと、

②売却手続きが面倒くさかった(途中から金融機関に勤めていたため)

ためあまり気にならず放置できた。

 

某金融機関の優先出資証券を購入するためにペトロチャイナは2009年に全株売却したが、

吉利自動車は株価が特に上がっていなかったので売却せず放置した。

 

その翌年、2010年にまさかのボルボ・カー(スウェーデン)買収!

株価も4倍くらいになっていた。

 

2017年の全株売却時には投資元本の25倍くらいになっていた。

 

【振り返り】

吉利自動車は奇跡的に暴騰したが、

これ以外にも中国株を投機的(ギャンブル)に買っていた。

エイズの特効薬開発を期待した(?)製薬会社など紙切れになった会社も多々ある。

 

ただ、若い時に経済成長が見込まれる国に分散投資(長期分散投資)できたことと、

ペトロチャイナのようなコアとなる安定的な投資先を見つけられたことが成功要因だったと思う。

金融の専門家として経験を積んだ今振り返ってもこの投資の考え方は良かったと思う。

その観点で新たな投資先を見つけられたらと日々思案中。

 

今は、人口動態・経済成長の観点でインドに少し興味がある。

当時より年齢も上がり、リスク許容度も変わったので、

個別銘柄を買うことはなさそうだけど、

米国に上場しているETF(EPI)を今年買ってみようかと検討中。