【資産運用】 外貨建て優先出資証券

  • 市場参加者の大半が悲観的で、投資対象が価値以上に売り込まれるとき(買い手がいない時)、投資対象のリスク自体が大幅に低くなっている可能性がある。
  • 自身のリスク許容度と商品特性を理解することで、中和可能なリスク(自分にとっては超低リスク)で高リターンを目指せるお宝投資先に出会えることがある。
  • 最も安全な買い場は、みんなが悲観にくれ、思い詰めているときである。
  • どんな市場も右肩上がりで行くわけではなく、必ず上下に変動しながら上がっていく。好況な時ほど、下落時の 「チャンス」を意識した投資を行うべきである。

 

 

FIRE達成に大きく貢献した2つの投資がある。
その1つが「外貨建ての優先出資証券」への投資がある。
※もう1つは「中国株投資」

 

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中国株への投資*1と異なり、
①ある程度の投資元本があったこと、②専門知識を活かした投資(※)だった。
ファイナンス、経済、商品性への理解

 

また、中国株への投資とは違った意味で、投資「タイミング」が良かった。
良い「買い場」は往々にして市場の暴落後に来る。
当該優先出資証券への投資もそんなタイミングでの投資だった。

 

2024年も株式市場が好調だ。米国だけでなく、日本株もすごい。
先週、2月22日(木)には日経平均が史上最高値を更新した。
実に約34年(1989年12月29日の3万8915円87銭)ぶりだ。

 

最高値更新が「通過点」なのか「バブル」なのかは別にして、
株価が割高圏内にあると個人的に思う。

 

ただ、難しいのは、「割高」でも「明日暴落する」わけではないこと。
市場が上を向いているなら、その波に乗るべきである。

 

それでも、いつか必ず「下落局面」は来る。
「山高ければ、谷深し。」

 

下落に「大きく」巻き込まれず、
下落局面で安全で高リターンを見込める投資候補に乗り換えられるよう、
当時を振り返り、半身で今の市場に挑みたい。

 

三菱UFJ銀行(BTMU)と三井住友銀行SMBC)の優先出資証券に投資したのは、2010年の初め。

 

【投資前提】

2008年10月にリーマン・ブラザーズ(米投資銀行)が経営破綻したのをきっかけに、
世界の市場に動揺が走り、深刻な金融危機に発展した。

 

これにより、海外市場における邦銀の資金調達が難しくなり、
通常(リーマンショック前)では考えられないような利息・配当を支払わなければ(特に)外貨での資金調達が難しい状況になっていた。

 

【投資商品】

  • (ユーロ建て)BTMU Preferred Capital 4 Limited (配当:年 217%( 2017年 7 月まで固定)、 2017 年 7 月以降は変動)

  • (ドル建て)SMFG PREF Capital USD (配当:年50%(2018 年 7 月まで固定)、2018 年 7 月以降は変動)

    ※購入時、両者ともに額面を下回る価格で取引されており、「運用利回り」は、10%以上だった。

 

【優先出資証券の商品特性】

  • 株式と債権の中間。発行体が破綻した際の弁済順位は株式とほぼ同等。
  • 最低売買単価が高い(額面で$100,000以上など)。
  • 必ずではないが、毎年決まった利息を支払う。
  • 償還期限はないが、発行体が望めば途中償還(元本返金)できる条項(※コールオプション)がついており、通常、その初回償還可能日に償還される*2ものと考えられている。

 

【投資根拠】

  • 比較的影響が少ないと言われていた邦銀でも資金調達には通常以上のプレミアムが求められていた。
  • 上記2銘柄は、それぞれ10%の「運用利回り」になる価額で販売されていた(アンダーパー(額面以下))。(ドル建:$1=50円まで円高が進んだとしても、償還日*3まで保有すれば元本割れしない水準)
  • 各国政府が金融機関の救済、金融緩和策を打ちだしている中、メガバンクが見捨てる可能性は極めて低いと考えた。

    → デフォルト(倒産)は原則しないと考えた。
  • 万が一、メガバンク(邦銀)がデフォルトするような事態に陥った場合、日本全体が大混乱に陥り、通貨(円)であろうが価値の毀損は避けられない。

    → どの資産クラスでもリスクが変わらないのであれば、
     10%以上のリターンを得られる優先出資証券に投資した方が得。
  • ドル円は当時$1=90前後であり、外貨建てで長期保有していれば為替レートだけで十分に儲かると考えていた(少なくとも、20年以内に$1=120円の円安時が複数回は来ると「当時」は想定していた。また、将来円大暴落(円が売られる)が起こると想定していた※。)

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【投資結果】

  • (ドル建て)BTMU Preferred Capital 4 Limitedは、償還前の2015年に売却。
  • SMFG Preferred Capital USD 3 Limited」は、満期保有(早期償還された2018年1月)。
  • 投資時に想定した通り、累積配当および売却・償還時における為替レートを加味すると2銘柄とも投資元本の2倍以上になった。

 

 

【学び】

  • 景況が悪化し、恐怖が優勢になると、これ以上損失がでる可能性が極めて低くなる水準にまで資産価額が下落することがある。
  • 最も安全なで高リターンが期待できる「買い場」は、市場が悲観にくれている時に起こる。
  • 市場は上下にサイクルを繰り返し、いつか必ず「買い場」が訪れる。高値圏内にいる今だからこそ、「買い場」に備えた投資をする必要がある。

 

*1:当時投資初心者だった

*2:早期償還されることが前提の商品(償還しないと、資金調達が難しいほど信用リスクが高まっているという市場へのメッセージになり得る)

*3:早期償還前提