最近SNSで「FIRE卒業」というワードがトレンド入りしているらしい。
投資(資産運用)のイメージがまた悪くなるような内容だろうな。
と思いながら関連する記事をいくつ読んだ。
「卒業」という言葉に反応し、
「FIRE”卒業”じゃなくて”失敗”だよね。」と揶揄するコメントが多かった。
運用計画が破綻して再就職するだけで、
「卒業」ではなく、ただの「敗者」だとのコメントまであった。
FIREし、早期退職した人が復職する理由は様々だ。
実際、退職したら暇すぎて、再度働き始めた友人はまわりにもいる。
以前やっていた仕事が好きだったことに気づき戻るパターンもあれば、
違う仕事をしている人もいる。
元々「より自由で幸せな」生活のために早期退職していたので、
仕事をすることが幸せだと感じれば、当然仕事に戻る。
やりたくないことをするのではなく、
やりたい仕事を「選んで」行う。
経済的に自立できており、いやいや働くのではなく、
自ら「選んで」やりたい仕事をする。
FIREのまさに醍醐味だ。
一方、「お金がなくなった。」という理由で再就職する場合は、
そもそもFIREに「入学」すらしていないのでは?と思う。
「FIRE」は、Financial Independence, Retire Earlyの略であり、
「経済的自立と早期リタイア」を意味している。
お金が無くなったということは、
前半の「経済的自立」ができていなかったということではないのか。
FIREについて真剣に考え準備した人の多くは、
支出をコントロールし、過度なリスクを取らず、
保守的な運用方針(※)で、危機に備えたバッファーを持っているはずだ。
※投資した資産価値が下落した状況も想定しているはず
FIREブームの時もそうだが、
バズらせるため、キャッチーな単語を選び、
投資に誤ったイメージを植え付けることはやめてほしいものだ。
投資と投機(※)を一緒くたにし、
儲けた輝かしい側面にのみ焦点をあて投機を煽ったり、
資産運用の失敗をあざ笑うような特集(記事)が減るといいな。
参考記事:
「FIRE卒業」SNSでトレンド入り 投資で生活…甘くない?
[2022/11/09 10:57] テレ朝 News
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000275008.html
そう甘くはないようです。
■「FIRE卒業」SNSでトレンド入りに反響
東海地方在住・30代男性:「転職とかもしたんですけど、どうも合わなくて。やっぱり、自分に合うのは『FIRE』。金銭的に自由になって、好きなことからしながら、生きてくっていうのが合うかなと思って。『FIRE』目指し始めた」
去年の夏に紹介した、経済的に自立し、早期リタイアを目指す新たな生活様式「FIRE」。
働かなくても、投資が生む利益で自由に暮らそうと、2014年ごろにアメリカでブームになり、日本でも2年ほど前から広まっていました。
しかし先週、SNSで「FIRE卒業」という言葉がトレンド入りしました。
ツイッターから:「FIRE卒業って、どういうこと?」「FIRE卒業って、資産運用失敗した人が、再就職するだけなんじゃ」
■投資で“自由な暮らし”…実現は困難か
「FIRE卒業」には大きく2つのパターンがあるとみられています。
1つは、早期リタイアをしたものの、暇を持て余しているパターン。もう1つは、投資計画の破綻です。
今、個人投資家に何が起きているのか。コロナショックから投資を始めたという女性に話を聞きました。
東京都在住・40代女性:「以前はアメリカ株がうなぎ登りでしたが、今年に入ってから株価の下落が激しく、大幅なマイナスになっています」
この女性の口座を見せてもらうと、600万円以上あった資産が半分以下になっていました。
投資による自由な暮らしを実現するのは、簡単ではないようです。
(「グッド!モーニング」2022年11月9日放送分より)