【資産運用】REIT

【まとめ】

  • インフレ抑制のための金融引き締めを背景に景気減速懸念で、ほぼ全てのアセットの価格が下落している。
  • REITも価格が下落しているが、長期投資の観点からは買い場である可能性が高い。
  • 安定的なキャッシュ・フロー確保のために当面米国REITを継続して買増していく予定。

 

ベースシナリオとして、市場が混乱するであろうと考え、
今年はキャッシュの積み増しを心掛けている。
(あまりうまくはいっていないが…)

 

一方、将来的なキャッシュ・フローの確保のため、
REITおよびグローバルREITを継続的に購入している。

 

そんな話を友人にしたら、
「利上げ局面で、景気悪化が見込まれる今、REITはやめた方が良いんじゃない?」
と言われた。

 

先行きが依然不透で、
今後もREIT価格の下落リスクは「短期的」に大きいと思う。

 

マーケット全体がリスクオフとなっている環境下、
業績見通しが堅調なセクターを含み、
ほぼ全てのセクターが年初来でマイナスのパフォーマンスを示している。

 

2022年年初来より、
インフレ抑制のための金融引き締めを背景に景気減速懸念が高まる中、
株式同様RIETも軟調な展開が続いている。

 

マーケットを大きく揺るがすきっかけになったのはインフレであり、
米国においてはインフレのピークアウトの兆しがみられるかなと思われた一方、
インフレ環境の長期化は避けられないようにみえる。

 

インフレ抑制のため積極的な金融引き締めが実施され(※)、
REITのインフレ耐性や堅調な業績が評価されるよりも経済停滞への懸念が先行している。

kunco.hatenablog.jp

 

「インフレ」と「金利上昇」はREITにとってネガティブにとらえられることが多い。
果たして本当にそうなのか、今REITの購入を続けてよいか考えてみた。

 

①インフレ:
REITインフレ・ヘッジ特性(※)を有しており、
株式・債券と比較し耐性を発揮する可能性がある。
※インフレ(物価上昇)により通貨価値が相対的に減少するリスクを回避すること。

  • 賃料を引き上げられる
    (契約期間が短いもの:貸し倉庫、賃貸住宅) 契約更新時に引き上げ可能
    (長期契約) エスカレーション条項(インフレに連動し、賃料が上昇する)が入っているため、長期的に賃料は上昇する(インフレにやや遅行)

  • 建築コスト(建築資材、人件費)の上昇
    新規物件の建築コストが上昇し、供給が抑制される。
    結果、既存物件への需要が集まり、賃貸市場であるREITにとってプラス。

 

  • 営業利益率が高い(米国 60%程度)
    人件費など、コストが上がっても、負担増を吸収する余力あり。

 

  • 税的優遇
    株式投資と異なり、二重課税が避けられる。
    ※インフレとは直接関係ないが、投資家のコストが減る。

 

金利上昇
金利上昇がREITにとってマイナスとされる根拠として、
一般的に以下2点があげられる。

  • 借入コストの上昇
    負債比率が減少傾向にある。
    リーマンショック時と比較し、
    REIT各社の財務体質も改善されており、借入コストの負担増は軽減されている。

  • 債券の利回り差の縮小
    REITは配当(インカム・ゲイン)のみならず、キャピタル・ゲインも見込むことができる。

    REITの長期的なトータル・リターンは過去実績で見ると成長性が高いといわれる米国株式と同等程度ある。

 

金利が上昇しているときは、経済がプラス成長の際か、
高インフレの時のどちらかである。
どちらの場合も、賃料が上昇しやすい環境である。

 

不動産の賃料収入を源泉とする配当収入は、安定的な収入源であり、
持てば持つほど積み上がり、長期的には価格変動リスクをカバーする。
長期的な見通しがある投資先であれば、保有メリットが大きい。

 

従って、価格が下がっているREITは長期的な観点で今買っておくのはよいと考える。

 

なお、株式、REIT問わず、投資対象にすべきだと考える地域の特性は以下の通り。

  • 生産年齢人口が増えている
  • 投資インフラがある程度整っている
  • 法で守られている

 

米国REITおよびグローバルREIT(※)は上記基準を満たしている。
時価評価額ベースでカントリー・アロケーション(投資対象国への資金配分割合)が決められるためほぼ70%の資産が米国になる。

 

日本のREIT保有しているが、
震災リスクおよび人口動態を鑑みると投資すべきREITと配分は限定的である。

 

補足:
上記を見ると米(グローバル)REITに投資すれば高確度で儲かりそうにみえるが、
他の有価証券同様、当然ながらREITにも価格変動があり、
分配金の減少や元本割れする等のリスクがある。
※以下、ご参考、【RIETの主なリスク】参照

 

ご参考:
REITとは】

  • REITは、「Real Estate Investment Trust」の頭文字をとった略称。日本語では「不動産投資信託」を指す。
  • 通常、多数の投資者から集めた資金で複数の不動産(オフィスビル、商業施設、マンションなど)への投資を行う。
  • 投資先不動産から得られる賃貸料収入および不動産の売買益を原資として投資者に配当を支払う。
  • 投資先不動産の選定、購入および売却、保有不動産の運営、管理など資産の運用全般については、プロの資産運用会社が行う。
  • 投資者は、REITを通じて間接的に様々な不動産のオーナーになり、不動産のプロによる運用の成果を享受することができる。

 

REITのメリット】

  • 少額で取引でき、売却も容易(実物不動産より流動性が高い)
  • 少額の投資で分散投資が可能
  • 管理の手間がかからない(プロが物件を管理)
  • インフレに強い
  • 株式と比較して高い利回り
  • 株式と異なり二重課税が避けられる

 

REITの主なリスク】

  • 分配金の減少リスク
    賃貸市場の低迷、自然災害による被害、不景気に伴う不動産価格の下落などにより分配金が減ることがある。
  • 法改正
    不動産投資にマイナスになる法改正(規制強化)が施工される。