株主優待廃止:オリックス

東証の市場改革の影響か、

オリックス株主優待の廃止を発表した。

 

株主優待制度の廃止に関するお知らせ(※)によると、

「株主の皆さまへのより公平な利益還元のあり方という観点から」の決定のようだ。

https://www.orix.co.jp/grp/company/newsroom/newsrelease/pdf/220511_ORIXJ4.pdf

 

我が家で大変重宝していたオリックスのギフトカタログ。

食べ物だけでなく、すみだ水族館の年間パスなども選べる。

 

家族4口座で保有していたが、次男分も追加し、

優待券ライフを更に充実させようと思った矢先だっただけにショックは大きい。

 

上場会社は「株式平等の原則」を遵守する必要がある(※)。

ここでいう「株式平等」は、「保有する株式数に応じて」平等にしなければならないという意味だ。

 

「100株以上500株未満保有の株主に3,000円相当のギフトカタログを贈呈」のように、

100株保有の株主と200株保有の株主では保有株式数が異なるのにも関わらず、

優待により享受できるメリット(3,000円相当)が同じなのは不公平だとみなされる可能性がある。

 

株主総会でのお土産がなくなったように、

今後株主優待(特に、KDDI)がなくならないことを切に願う。

 

プライム市場上場企業には、コーポレートガバナンス・コードに記載されている「一段高度なガバナンス」が求められる。当該コードの基本原則1で「株主の権利・平等性の確保」が求められている。

 

出典:2022/05/11 15:09  日経速報ニュース 

オリックス株主優待を廃止へ 個人株主80万人に影響

 

オリックスは11日、株主優待制度を2024年3月末で廃止すると発表した。全国の名産品をカタログから選ぶユニークな内容で個人投資家に人気だったが、優待の活用が難しい機関投資家からは不公平な制度との批判があった。今後は業績拡大に伴う増配を軸に個人へアピールする。同社の個人株主は足元で国内トップクラスの80万人規模とみられ、個人投資家の間では動揺が広がりそうだ。

 オリックスは1単元(100株)以上保有する国内居住の株主であれば、カタログから商品を1点選べる「ふるさと優待」の制度を続けてきた。3年間継続保有すれば商品も豪華になるが、24年3月末時点の株主が対象の分を最後に取りやめる。このほか、同社グループの旅館やホテル、レンタカーなどを割引価格で利用できる「株主カード」も、24年3月末時点の株主への配布をもって廃止する。

 同社は15年にふるさと優待を始めた。もともと外国人株主の比率が高く、08年のリーマン・ショックの際は海外勢の売りが殺到して株価が大幅安となった経緯がある。株主優待を充実させることで個人投資家を増やし、株主構成のバランスを取って株価の安定性を高める狙いがあった。

 自己株を除く発行済み株式のうち、個人株主が保有する割合は14年3月末時点で約5%だったが、21年3月末には約16%に上昇した。優待狙いで1単元のみ保有する投資家が多く、個人株主数は21年3月末で約75万人と国内企業の中でもトップクラスだ。優待廃止の背景には個人にも知名度が高まったのに加え、株主が増えすぎてカタログ配送などの手間が多くかかるようになったこともあるようだ。

 今後は業績拡大に伴う増配で個人投資家にアピールする。11日に発表した22年3月期連結決算(米国会計基準)は、純利益が前の期比62%増の3121億円だった。海外事業が好調だったほか、会計ソフト大手の弥生(東京・千代田)の株式売却益が膨らんだ。年間配当は7円60銭増の85円60銭とした。

 オリックスの株価は今年1月に15年ぶりの高値水準である2612円を付け、足元でも2300円前後を維持している。業績拡大が好感されたほか、国内外で手掛ける再生可能エネルギー事業の成長期待もあるようだ。

 一般に優待は株主平等原則に反すると批判を浴びており、今年に入りエービーシー・マート日本たばこ産業(JT)などが廃止を決めた。もっとも、優待目的でオリックス株を購入していた株主も一定程度いたとみられ、優待廃止が株価にネガティブに働く可能性もある。

 (和田大蔵)